韓国人の結婚禁止の真相は?同姓同本から国際結婚の規制まで徹底解説
韓国ドラマのストーリーやSNS上の言説で時折目にする「韓国では同じ苗字同士は結婚できない」「一部の国で韓国人との結婚が法律で禁止されている」といったセンセーショナルな噂。これらは単なる都市伝説なのか、それとも歴史的・法的な背景に基づいた事実なのでしょうか。
日本と地理的にも文化的にも近い韓国ですが、婚姻に関する法律や親族観には日本と大きく異なる独自の歴史が存在します。かつての厳格な不婚規定から近年の法改正、国際社会における規制の真相まで、2026年現在の最新ファクトを基に徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:かつての「同姓同本不婚」規定は1997年の憲法不合致決定を経て2005年に完全廃止され、現在は同じ苗字・本貫でも法的に結婚可能。
- 要点2:現行法では「8親等以内の血族」の結婚が制限されているが、憲法裁判所の違憲性指摘を受け、禁止範囲を4親等程度へ縮小する民法改正論議が前進している。
- 要点3:東南アジア諸国で噂された「韓国人結婚禁止令」は完全な法律上の禁止ではなく、悪質ブローカー排除や人身売買防止のための手続き厳格化が実態である。
【噂の真相】韓国人の結婚禁止にまつわる誤解と歴史的背景
インターネット上で「韓国人の結婚禁止」と検索すると、さまざまな情報が交錯しています。その主な理由は、過去の強力な婚姻規制の記憶と、近年の国際結婚トラブルをめぐる断片的な報道が混同されている点にあります。
歴史的に見ると、韓国社会は朝鮮時代から続く厳格な儒教思想と父系血統主義を色濃く反映してきました。その象徴が、同じ祖先を持つ血族同士の婚姻を禁じる制度です。昭和後期から平成初期にかけての日本の韓国カルチャーファンにとっても、「同じ苗字だと結ばれない悲恋」はドラマの定番プロットとして記憶されているかもしれません。
しかし、時代とともに個人の幸福追求権や婚姻の自由を重んじる声が高まり、婚姻に関する法律は大きく様変わりしました。かつてのタブーが現在どのように変化したのか、法的な事実関係を一つずつ紐解いていきましょう。

「同姓同本」不婚ルールの終焉|1997年違憲判決から現在までの法改正
韓国の婚姻史において最大の転換点となったのが、「同姓同本(どうせいどうほん)不婚」規定の撤廃です。
韓国では、姓(苗字)に加えて「本貫(ポンガン)」と呼ばれる一族の発祥地・祖先のルーツが記録されています。たとえば同じ「金(キム)さん」であっても、「金海金氏」と「慶州金氏」では本貫が異なります。旧民法第809条第1項では、苗字と本貫が同一である男女の婚姻が全面的に禁じられていました。何世代も離れており生物学的な血縁関係が極めて希薄であっても、同じルーツを持つという理由だけで法的な夫婦になれなかったのです。
この規定に対し、1997年に韓国憲法裁判所が「個人の尊厳と両性の平等を定めた憲法に違反する」として憲法不合致決定(事実上の違憲判決)を下しました。その後、2005年の民法改正を経て、同姓同本による一律の結婚禁止ルールは正式に廃止されました。韓国の結婚における法律の現在においては、同じ苗字かつ同じ本貫であっても、後述する近親婚の範囲外であれば問題なく法的な婚姻届が受理されます。
なお、韓国人の結婚における苗字は伝統的な夫婦別姓です。結婚後も夫婦それぞれの姓を名乗り続けますが、子どもは原則として父親の姓と本貫を継ぐ(※協議により母親の姓を継ぐことも可能)という形で親族関係が整理されています。
【2026年最新】近親婚「8親等禁止」の民法改正と親族制限のリアル
同姓同本の禁止が撤廃された一方で、現在も議論が続いているのが韓国の近親婚における8親等制限です。
現行の韓国民法第809条第1項では、「8親等以内の血族」同士の婚姻を禁止しています。日本の民法が婚姻を禁じているのは「直系血族および3親等以内の傍系血族(叔父・叔母・甥・姪まで)」であり、4親等である「いとこ同士」の結婚は法的に認められています。これと比較すると、韓国の8親等禁止(いとこの子どもや、はとこ同士なども含む広範な血族)は、国際的に見ても非常に広い範囲の親族関係を制限しているのが特徴です。
しかし、この広範囲な制限に対しても変化が起きています。2022年10月、韓国憲法裁判所は「8親等以内の婚姻を一律に無効とする規定は過度な基本権の制限にあたる」として、再び憲法不合致決定を下しました。これを受け、法務省や法制部を中心として韓国の民法改正による結婚制限範囲の縮小が検討されています。
2026年現在の法改正論議では、近親婚の禁止範囲を国際標準に近い「4親等以内」または「6親等以内」へ見直す案が有力視されており、伝統的な家族観と個人の権利意識の間で法整備の最終調整が行われています。

【徹底比較】日本と韓国の婚姻法・親族制限における決定的な違い
日韓両国の婚姻制度を比較すると、歴史的背景や血族に対する考え方の違いが明確に浮き彫りになります。以下の比較表で主要なポイントを整理しました。
| 項目 | 韓国の現行制度・基準 | 日本の現行制度・基準 | 編集部の見解・実務上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 同姓同本の婚姻 | 可能(2005年法改正で解禁) | 制度自体が存在しない | ネット上の「同姓同士は結婚不可」は過去の制度に基づく誤認。 |
| 近親婚の禁止範囲 | 8親等以内の血族(※法改正見直し中) | 3親等以内の傍系血族(いとこ婚は可能) | 韓国ではいとこ婚(4親等)は禁止。縮小改正の行方が焦点。 |
| 夫婦の苗字 | 夫婦別姓(生まれ持った姓を維持) | 夫婦同姓(同氏)原則 | 日韓の国際結婚の場合、日本の戸籍上は原則別姓となり変更には申立が必要。 |
| 直近の在留規模(日本国内) | 配偶者ビザ保持者:約1.2万人 | 外国人全体の主要国籍上位 | 出入国在留管理庁データ(2025年末時点)で12,118人が配偶者ビザで安定在留。 |
海外で「韓国人との結婚禁止」の噂が出た理由|国際結婚規制の実態
もうひとつの大きな検索トピックである「諸外国が韓国人男性との結婚を禁止している」という言説。この背景には、2000年代半ばから2010年代にかけて東南アジア諸国で生じた国際結婚トラブルと法規制の強化が存在します。
報道各社の取材や公的記録によると、当時、韓国の農村部を中心とした男性と、ベトナム、フィリピン、カンボジアなどの女性を仲介する悪質な結婚相談所・ブローカーが横行しました。短期間のお見合いによる人権侵害やドメスティックバイオレンス(DV)、さらには偽装結婚による人身売買まがいの事件が現地で深刻な社会問題化したのです。
これに対し、関係国は以下のような対抗措置を講じました:
- カンボジア:2008年および2010年に、人身売買防止の観点から自国女性と外国人男性(特に仲介業者が関与するケース)の結婚手続きを一時的に停止する行政措置を実施。
- フィリピン:営利目的の国際結婚仲介業を法律(共和国法第6955号)で厳しく禁止しており、悪質なブローカーを通じた婚姻に対する取り締まりを強化。
- 韓国政府自身の規制強化:韓国側も国際結婚の健全化を図るため、配偶者ビザの発給要件として韓国語能力や一定水準以上の所得要件を義務付ける法改正を実施。
結論として、「特定国が法律で韓国人との結婚を一律禁止している」という事実は現在ありません。正規の恋愛関係に基づく個人の自由な婚姻は法的に認められています。しかし、過去にブローカー排除のために講じられた一時的な停止措置や手続きの厳格化が、尾ひれをつけて「結婚禁止令」として拡散されたのが噂の真相です。

【実態検証】日韓カップルのリアルな声と結婚手続き・配偶者ビザのハードル
日本国内において、韓国籍の方との国際結婚は極めて日常的なものとなっています。出入国在留管理庁の統計(2025年末時点)によれば、「日本人の配偶者等」の在留資格をもって日本で暮らす韓国籍の方は12,118人に上り、国籍別でも上位を占めています。
法的な禁止事項がないとはいえ、日韓の婚姻手続きの実務には特有のステップが存在します。当事者や専門家が直面する主な実務ポイントは以下の通りです。
- 韓国側の証明書類の収集:「基本証明書」「家族関係証明書」「婚姻関係証明書」などの公的書類を韓国の領事館や役所から取得し、日本語訳を添付して日本の市区町村へ提出する必要があります。
- 配偶者ビザ(在留資格)の審査要件:日本で同居生活を送る場合、出入国在留管理局に対して「安定した世帯収入(生計要件)」や「婚姻の信憑性(偽装結婚でない証明)」を客観的書類で証明しなければなりません。
- 文化や家族観のすり合わせ:法的な親族制限が緩和されても、双方の親族への配慮や法要(チェサ)などの家族儀礼に対する理解の違いが、結婚生活における重要な課題として挙げられます。
SNSや相談窓口に寄せられる日韓カップルの生の声を見ても、「手続き上の書類集めや翻訳の手間はあるが、法的に結婚を拒否されるような事態は通常の交際であれば起こらない」という意見が大多数を占めています。
【プロの結論】制度の背景を理解し、不要な情報に惑わされないために
社会学的な視点から見ると、韓国の婚姻法規制の歴史は「国家・家父長制主導の親族統制」から「個人の自己決定権と基本的人権の尊重」への移行プロセスそのものです。
かつての同姓同本不婚や広範な8親等制限は、父系血統の純血性を守るための社会構造でした。しかし、人権意識の高まりとともにそうした法的拘束は順次見直されてきました。ネット上に散見される古い情報や過激な見出しに惑わされることなく、「現在の法令基準はどうなっているのか」「公的な入国・在留手続きの要件は何を満たすべきか」を冷静に見極めることが、国際結婚を考える上で最も重要です。
【韓国人の結婚禁止】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:韓国では同じ苗字(キムさん同士など)だと今も結婚できないのですか?
A1:いいえ、現在は問題なく結婚できます。かつては同じ苗字かつ同じ本貫(ルーツ)の婚姻を禁じる「同姓同本不婚」規定がありましたが、1997年の違憲判断を経て2005年の民法改正で完全に廃止されました。
Q2:韓国人と日本人が結婚する場合、いとこ同士は結婚できますか?
A2:注意が必要です。日本の法律では4親等であるいとこ婚は認められていますが、韓国の現行民法では8親等以内の血族婚が禁止されています。国際私法上、双方の国の要件を満たす必要があるため、韓国法上の近親婚規制に抵触する可能性があります(※現在、禁止範囲縮小の民法改正論議が進行中です)。
Q3:東南アジアで韓国人男性との結婚を法律で禁止している国があるのは本当ですか?
A3:法的に一律禁止している国はありません。過去にカンボジアなどで悪質ブローカーや人身売買対策として国際結婚の手続きが一時停止された事例や、仲介業を違法とする法令が存在しますが、正規の正規手続きを踏んだ婚姻そのものが禁じられているわけではありません。
まとめ:正しい法律知識で見る日韓の婚姻事情と今後の展望
「韓国人の結婚禁止」にまつわる言説を調査すると、その根底には儒教的な伝統に根ざした独自の法制度の歴史と、国際化に伴うトラブル対策の歴史が存在していることがわかりました。
同姓同本の婚姻解禁から、8親等近親婚規定の見直しに至るまで、韓国の家族法は時代とともに個人の自由と権利を重視する方向へ進化を続けています。2026年現在、日韓両国間での婚姻手続きは法的に完全に確立されており、出入国管理庁の統計が示すように多くの夫婦が日本で安定した生活を送っています。
ネット上の断片的な情報に惑わされず、最新の正確な法改正動向と公的手続きの基準を把握することが、円滑な婚姻手続きと国際理解への確かな第一歩となります。 (出典: 韓国 人 結婚 禁止(Yahoo!ニュース))